[5分でわかる！]名門北条家を滅ぼしてしまった北条氏政とは？

北条氏政の年表

北条氏政の相関図

北条氏政の誕生

北条氏政ほうじょううじまさは1538年、相模さがみ(神奈川県)に北条氏康の次男として生まれました。

氏政は長男ではなく次男として生まれましたが、長男氏親が若くしてなくなったために氏政が北条家の家督を継ぐことになりました。

また氏政の3人の弟たちは優秀で、兄弟衆として北条家を支えます。さらに氏政の弟で氏康の6男は上杉謙信の養子となり、上杉家の家督争いをした上杉景虎です。

武田信玄に上杉謙信と争う！！

家督を相続した氏政でしたが、最初の頃は父氏康が実権を握っており、氏政は形式的な当主でした。そして、領民の不満を解消するため氏康が本格的に隠居して氏政が実質的に実権を握りはじめます。

氏政が当主になった頃、上杉謙信からの小田原城攻めがあったり、甲相駿同盟を破った武田信玄が今川家を攻め込み、そのまま信玄が小田原城に攻め込んだりと氏政は有力武将たちに攻め込まれてきました。

そこで氏政は信玄と太刀打ちするために謙信と越相同盟を結びます。ところが父氏康がなくなると謙信との同盟をやぶり、再び信玄と甲相同盟を結んびました。これにより上杉家に味方する関東地方の武将が北条家と敵対することになってしまいます。

最初こそ苦戦していましたが、謙信が亡くなったことで氏政は勢力を一気にもり返し、反北条家を封じ込めました。

謙信と信玄の死で揺れる関東

氏康の6男景虎は同盟により上杉家の人質となっており、謙信から可愛がられて謙信の養子となっていました。そして謙信が亡くなったことで、謙信と血のつながりのある上杉景勝と上杉家の家督争いが勃発。これを御館の乱といい、武田勝頼が景勝に味方したため景虎は敗れ自害しました。

再び氏政は武田家と争うことになったため、徳川家康に接近して同盟を結びます。その後織田信長によって武田家を滅ぼされます。

本能寺の変が起きて信長が亡くなると混乱に乗じて、氏政は旧武田領を任されていた織田家の重臣滝川一益を一気に攻め込み、領地拡大をはかりました。ところが徳川家康が立ちはだかったため停戦となりました。

そして信長の後を継いだ豊臣秀吉は九州攻めを終えて、北条家を抑えこもうと考えていました。

そこで秀吉は氏政に上洛するように要請。ところが氏政はこれを無視したため、秀吉は怒って小田原城に侵攻。氏政は小田原城に自信があったため籠城戦に持ち込みますが、秀吉の大軍になすすべもなす敗れてしまい降伏しました。

まとめ

北条氏政は武田信玄や上杉謙信などと争いながらも勢力を拡大した武将であり、実際には凡人な武将ではないように感じます。ただ名門として生まれた氏政が農民上がりの豊臣秀吉に頭を下げるのだけはできず、北条家を滅ぼすことになってしまったのでしょう。

氏政にこんな逸話が残っています。

氏政は毎日ご飯に味噌汁をかけていました。ある時かける量が少なかったためにもう一度汁をかけたことがあるそうです。

これをみた父氏康は

「毎日の食事であるにもかかわらず、ご飯にかける汁の量がわからないとは北条家も終わりだな」

となげいたといいます。